水草水槽の立ち上げからの
管理スケジュール

2022年晩春、7年長期維持してきた120cm水槽をリセットしました。そういえば、旧GRASSY AQUAサイトで管理スケジュールを記事にしていたのを思い出し、現在のボクの考えによせて再編集してみました。

はじめに 

◎地域の水質や水槽サイズ、使用器具によって期間は変化します。あくまでも流れの目安としてご参考にどうぞ。

◎水草レイアウト水槽のフィルターは、対応水槽サイズより大きい水槽用のものを使うと状態のよい維持期間が長くなります。

◎ただし、対応水槽が大きいフィルターは排水量も多く水流も強くなってしまいます。水流をおさえたい場合は、口の広い排水パイプを使うとよいです。

◎ボクの120cm水槽のように2基に分散するのもひとつの手段です。その場合は、排水口を左右に配置すると水流の強さも分散できます。

新規フィルターで立ち上げの管理スケジュール
立ち上げ~1週間ごろ → 〜3週間ごろ → 〜4週間前後 → 1ヵ月以降~
リセットの管理スケジュール
立ち上げ~3日間くらい → 4日目前後〜 → 1週間〜10日目ごろ〜 → 以降〜

新規フィルターで立ち上げの管理スケジュール 

新規水槽・周辺システムをセッティング、低床を敷いて流木や石でレイアウト、水を注いで水草を植栽、周辺システムの稼働、そしてここから…


立ち上げ~1週間ごろ
底床ベースに撒いた立ち上げ剤(バクター100やペナックWなど)やソイル成分により注水すると多かれ少なかれ水は白色化する。フィルターのろ過バクテリアが機能しはじめる(立ち上がる)と徐々に濁りがなくなりはじめる。

◎水質テスターで2日に1回程度は状況把握を。

◎ソイルによる栄養過多を薄めるため、毎日1/3~1/2水換え(温水器での温度調節、塩素中和剤を使用)+濾過槽の立ち上げに有効なバクテリア溶液(グリーンバクターなど)を適量添加。

◎カリウムや水草肥料溶液などは苔の発生を促すことになるので、一切注入しない。

◎生体(エビや魚)は当分入れられない。ただし苔予防にレッドラムズホーンの投入は初期からでも可能だが、多く入れないとあまり役に立たない。

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~3週間ごろ
フィルター機能もまだ完全でない中、ソイルから溶け出す有機成分が原因で、ガラス面や水草に苔が生えてくる。ガラス面はメラミンスポンジで拭き取れば簡単にとれる。しかし水草の葉の表面に茶色の藻や糸状藻が発生しはじめると厄介。なるべく早く苔予防にヤマトヌマエビやミナミヌマエビを投入したい。ところがこのタイミングで難関となる、目に見えない水質悪化の連鎖が起きる。

初期はアンモニア(NH4)が発生。

そしてアンモニアは、より毒性の強い亜硝酸(NO2)に変化。エビを入れていると動かなくなったり死んでしまう個体も。毎日欠かさず1/3~1/2は水換えを。

徐々に最終段階の硝酸(NO3)に変化。ところが硝酸はコケの大要因。ひたすら毎日1/2~1/3水換えのルーチンワーク。

この一連、立ち上げの注水後からだいたい3週間を目安に治るだろう(ハズ)。


◎水質テスターでNO2やNO3が少なくなってくれば、水換えは、2日1回、3日に1回…週一へ。

◎水の白色濁りが薄くなってきたら水質悪化中でもバクテリア溶液の添加はやめてよい。その後は自然に濾過バクテリアが増殖する。

◎カリウムや水草肥料溶液などはまだ注入しない。苔の発生や爆殖の原因になるため。

~4週間前後
水質がNO2やNO3が消えつつある状態になればエビや魚を入れてOK。新規立ち上げで生体を入れる場合は、慎重すぎるくらい水合わせに時間をかけた方がよい(ボクはバケツに袋に入っている水と生体をそのまま入れてエアレーションしながら水槽の水をコック付きチューブで微量注ぎ続けて2-3時間かける)。水草の苔対策に早い段階でエビを入れたい場合は自己責任で。

 

◎3~4日から週1回、1/3〜1/2水換え。

◎苔の発生や爆殖の懸念があるなら、まだカリウムや水草肥料溶液などは注入しないほうがよい。

◎水草クリーニングの立役者、エビの導入はヤマトヌマエビとミナミヌマエビの両方を入れることをおすすめ。発生する苔の種類によって2種の得意分野があるため。数については水草の量や状態によって調整。少なめから足していくのもよし、多めから減らしていくのもよし。ボクは後者派。

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1ヵ月以降~
フィルターがしっかり機能し、水はピカピカ透明になっている頃。しかし白色化はなくなっても、どうしても新しい流木を使うとフミン酸やタンニンにより薄ら茶色に染まっていることもある。ただ水草や濾過機能には影響はない。個人的には水を強制的にクリアにする添加剤は使わない方がいいと思う。徐々に流木のアクも抜けて3ヶ月-半年もすれば水はクリアになる(濾過に頼らず水換えの回数や量を多めにすると期間は早くなる)。

◎1週間に1回程度、1/3~1/2水換え。過剰濾過システムを導入したならば、さらに水換え頻度の間隔をあけていってもよい。

◎カリウムや液体肥料など、有茎草や陰性水草など植栽の種類あわせた適量を添加開始。ただし、ガラス面や水草に苔が付きはじめたら直ちに添加中止して原因対策を。
>添加量は適量だったか、光量とのバランスはよいか、フィルターが目詰まりしていないか。消去法で対処すれば間違いなく原因は特定できる。こうしたキャリアが大切なノウハウへ。

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◎半年〜1年くらいで、フィルターのメンテナンスのタイミングがある。目安としては、急にガラス面苔が生えはじめた時、またはいつもよりも全体的に苔が生えやすくなったかも、が合図。そのうち…ではなくて、気がついたらすぐに対処した方が後々の後悔はなし。

以上です。新規立ち上げの水草水槽は、大変なのは立ち上げから1カ月間前後くらい。ここまでサボらずに頑張って軌道に乗れば、以降1週間ごとの水換えくらい。フィルターのメンテナンスは、半年に1度くらいが理想。

 

リセットの管理スケジュール編 

リセットの場合は、まず植栽している水草を再利用するものと処分するものを仕分けする作業から。そして水草やエビや魚を一時隔離する水槽へ移す。

リセット作業時は、はじめにフィルターは水槽から外して水を抜いておく。フィルターのモーター部分のメンテや濾過材を濯いで再セットをし、水を注がずに待機(バクテイアを酸欠させないため)。

水槽内の古いソイルを取り除き、きれいな空状態に清掃。そして新規の低床をセッティングし、流木や石などの素材をレイアウト、注水して水草を植栽する。

その後、立ち上がりまでの管理は、新規よりも大きく時短できる。


立ち上げ~3日間くらい
底床ベースに撒いた立ち上げ剤(バクター100やペナックWなど)やソイル成分により注水すると多かれ少なかれ白色化する。しかし、前レイアウトから流用したフィルターの濾過材には濾過バクテイアが付着しているため、立ち上がりはスムーズ。

◎水質テスターで毎日、状況把握を。

◎毎日1/2~1/3水換え(温水器での温度調節、塩素中和剤を使用)
※すでに濾過材にはバクテリアが付着しているため、立ち上げ用のバクテリア溶液の注入は不要。

◎2-3日で白色化の濁りはなくなる。※新しい流木を入れた場合は、薄茶色になることがあるが3ヶ月程度でアクが抜けて改善する。

◎カリウムや水草肥料溶液などは苔の発生を促すため、一切注入しないこと。

◎生体(エビや魚)はまだ入れない。(ボクは苔予防に前レイアウトのレッドラムズホーンを大量投入)

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4日目ごろ〜
アンモニア(NH4)や亜硝酸(NO2)が発生しだしたら、毎日水換えを。

◎アンモニア(NH4)や亜硝酸(NO2)はほぼ発生しなかった、または硝酸(NO3)までがほぼ検出されなくなってきたらエビや魚を入れれてOK。


1週間〜10日目ごろ〜
◎水質テスターで2日に1回程度は状況把握を。

◎状況をみて水換えは、2日1回、3日に1回…週一へと調整。

◎カリウムや水草肥料溶液などは苔の発生を促すため、まだがまん。


以降〜
経験上、1週間から2週間くらいでほぼ通常管理ができるようになる。しかし苔の発生を懸念するようであれば、カリウムや水草肥料溶液などの添加は2週間目以降が無難。

また、カリウムや水草肥料溶液などを添加しはじめ、数日でガラス面に緑の藻がつくようであれば直ちに添加を中止。水換えで対策を。添加の間隔をあけたり、量を減らしながら調整を。

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最後に 

ちなみにこれまでボクは、多種多様の濾過材の組み合わせてみたりプレフィルターを接続して濾過容量を増やしたり。さらに大容量のEXタイプ(スーパージェットフィルター)も使ってみたりもしました。ただフィルター1基で濾過を強化した場合、デメリットとして目詰まりしやすくて調子を崩すとダメージが大きい傾向がありました。

そしてたどり着いたのはフィルター2基管理。濾過材は複雑に組まず、サブストラットプロのレギュラーとラージサイズを混合したものだけになりました。最初の立ち上がりだけは若干遅いですが、軌道に乗れば数年間も水換え不要、蒸発したぶんを足し水するだけでのズボラ管理も十分可能です。

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そして半年から1年前後、ガラス面に薄ら苔(緑の)がつきはじめたら濾過材が目詰まりしはじめた合図。1週間ごとにフィルターを1基づつ、濾過材を軽く濯ぐ程度のメンテナンスを行います。だいたい年に1度くらいの頻度です。

h_ahli

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