アフリカンチェーンソード

vol.001
通称 アフリカンチェーンソード(エキノドルス・ハムリック、ラナリスマ・ハムリック、ラナリスマ・ロストラータ)
学名 断定不可
科名 オモダカ科
原産 断定不可
成長形式・増やし方 下草向き、チェーン型。芽のついたツルを匍匐してのばし、数珠つなぎに株を増やす。ツルをトリミングして子株を独立させるとそれぞれが親株へ成長する。
光量 中~強
水質 弱酸性~弱アルカリ性、軟水~中硬水、22~28度

育成ポイント
葉色は明るいライトグリーンでやわらかく、細めで短めの葉。小型水槽~大型水槽まで、前景の下草に向く。肥料養分や微量元素を含むソイルとの相性は抜群で、強光量、CO2添加の好条件がそろえば大変早く育成する。植栽は、スペースに対して均等に間隔をあけるとよい。ランナーを出しながら空いたスペースをうめるように自然感のある草原をつくる。繁殖旺盛な環境ではどうしてもガラス面あたりに厚みがでてきてしまう。繋がったランナーがからんで詰まるとトリミングできる状態ではないので、ハサミを入れて部分的に剥ぎ取ってしまったほうがよい。再びランナーで隙間が埋まると手前は低くなるのでレイアウト的にもよくなるだろう。また、ピークを越えて全体的に厚みが出て見苦しくなったら全面を剥ぎ取ってよい株だけを整理し、表面のソイルを入れ替えて植栽しなおす方法をとれば何度でも楽しむことができる。

雑記
私が本種をはじめて入手したのは2003年3月。当時、オリエンタルファーム経由で入荷したものが「エキノドルス・ハムリック」として販売されていたため、旧GRASSY AQUA「水草通信vol.001」では「エキノドルス・ハムリック」として紹介している。その経緯もあり当時は「エキノドルス・ハムリック」名で販売されることが多かったが、もともとそれ以前から同種と推定するものが「アフリカンチェーンソード」という通称で流通していた。近年、ショップでは再び「アフリカンチェーンソード」名で販売されることが多くなっているようだ。そのため、今回は主な通称を「アフリカンチェーンソード」とした。

「エキノドルス・ハムリック」として紹介した当時は、数々の書籍を参考にし、販売店さんやオリエンタルファームさんにまでご協力いただいて本種の正体について追記しながら長々とレポートしている。おおまかにまとめると、まず「エキノドルス」というのは完全に間違いで同じオモダカ科であるエキノドルスに似ていることから通称化したとのこと。学名的には「Ranalisma humile(Kunth)Hutchinson」とあるのは西アフリカ産で、このことから「アフリカンチェーンソード」という通称がついたようだ。ただ古くからある「アフリカンチェーンソード」の流通経由については不明。ついで私が入手したオリエンタルファームの「エキノドルス・ハムリック」の学名は「Ranalisma rostrata(Ranalisma rostratum)」で、中国・ベトナム・インド等のアジアの広い範囲で生息している。

基本的にはそれぞれ別種のはずだが「エキノドルス・ハムリック」が流通する以前の古い書籍にある「アフリカンチェーンソード」の情報や写真(水中葉、水上葉、花)をみてもまったく区別がつかなかった。2006年当時、実際に私も水上葉に育て、花も確認してみている。

最終的には完全に私の憶測だが、Ranalisma humileとRanalisma rostratumはもともととてもよく似ているのかもしれない。亜種だとすれば納得もいく。ただ、すくなくても現在、各ファームから流通しているものは通称はそれぞれにせよ「Ranalisma rostratum」の方だと認識している。h_ahli

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