■Vol.024(2007年11/30-2011年4/21更新)

通称:ポゴステモンsp.キンバリー(ポゴステモンsp.オーストラリア、エウステラリスsp.キンバリー、リムノフィラsp.オーストラリア等)
学名:Pogostemon sp. (from Kimberley)
科名:シソ科
分類:有茎草・輪生
原産:オーストラリア キンバリー

成長形式・増やし方:縦のび型。水中や水面 に向かって成長。トリミングして差し戻すことで増やせる。

 

光量 :中〜強
特記 :弱酸性〜中性、軟水〜中硬水、22〜28度、CO2添加

育成ポイント:オランダプラントの仲間では比較的育成しやすいが、肥料不足になると同系統と同じく頂芽がいじけて成長が遅くなることがある。兆候がみられたら底床肥料を埋め込んでやるとよい。赤色を楽しみたい場合は、鉄分強化を。

 

↑左写真の1番目と2番目は鉄分補給をした黄土色の状態。葉の裏は赤褐色というか紫に近くなっている。頻度をさらにあげるとより赤くなる。

↑左写真の3番目は、鉄分補給をしていないライトグリーンな状態でさわやかな印象。育成そのものには支障がないようである。

本種の通称は、学名や科名やロカリティの組み合わせが様々あってとにかくわかりにくい。 理由のひとつに学名が変ったこともある。以前は「Eusteralis stellata(Lour.)Panigrahi/エウストラリス・ステラータ」とされていたが、現在では『Pogosutemon stellatus(Lour.)Kuntze/ポゴステモン・ステラトゥス』へ統一されつつある。

また、本種の科名はシソ科。おそらく採集当時にリムノフィラの一種と思われていたのか、または、ゴマノハグサ科のシソクサ(リムノフィラ)として混同されたのか、「リムノフィラsp.」とも呼ばれる場合がある。ちなみに本種と同じような草体の通称「ニューオランダプラント」はゴマノハグサ科であることからしても、その成り行きは理解できる。

つぎにロカリティについて。採集地のキンバリーはオーストラリアなので、通称につくロカリティは「キンバリー」でも「オーストラリア」でも間違いではない。しかし当然のことながら、ポゴステモンは本種だけではない。少なくてもメディアで紹介されている水草としてはもう1種ある。こちらは、日本産のポゴステモン「ミズネコノオ」や「ミストラノオ」に似てスリムで輪生数が少なく、色が赤くなるのが特長で、通称は「ポゴステモンsp.オーストラリア」と呼ばれている。この種と区別する意味もあり、本種は『ポゴステモンsp.キンバリー』と呼ぶことが妥当だろう。

水草の通称は、採集時や流通での区別についたインボイスがそのまま水草の通称として呼ばれ、一般化してしまうことが茶飯事なのは言うまでもない。ただその後に正式な学名や科名が判明することで、新しい通称が登場してしまう場合がある。これが煩雑化のよくある要因だが、いずれは徐々に淘汰されいくに違いない。本種はとくにショップでの通称がそれぞれ違うのが目につく。少なくてもプロの分野では、細心の注意をはらってほしいと常々願っている。

さて、通称の話しが長くなったが、あらためて、学名が「ポゴステモン・ステラトゥス」へと変ったことを認知していただき、本種の通称は『ポゴステモンsp.キンバリー』と統一化してほしいものである。

葉の表は黄土色程度でも裏はとても鮮やかな紫色だ→

特長

同科のオランダプラントやダッセンファームのエウステラリスsp.ダッセンと同じようなタイプで、細葉で輪生数が多い。葉色はライトグリーンから黄土色〜紫色へと環境により変化がある。色の変化は光量よりも栄養素によって変化すると思われる。とくに鉄分補給を多くするとより赤みを増す。葉のエッジは少しギザギザ、葉幅は3〜5mm、葉長は通常5〜8cm程度で、葉幅や輪のサイズは光量やCO2添加量に依存している。とくに水面に到達した調子が最もよい時は、葉長10cmちかくにまでになることがあり、華やかさが際立つ。

 

底床が新しいソイルならば楽に育成できるだろう。根のない茎を差し戻した場合、1週間ほどで根がはえ、2〜3週間で根がしっかりはると頂芽の成長は早くなり、水面に近づくころ成長にさらに加速をつけるという具合。しっかり根をはることからトリミングにも強いが、新たなわき芽をだして生育しはじめるまでは、少しだけ時間がかかる感じがする。トリミングされた先端がなるべく光によくあたるようにするのがポイントだろう。また、環境がよければ根元付近からも新たな新芽がでてくることもある。

 

オランダプラント系の中でも環境の適応範囲も広く、生育は容易の方のようだが、それでも栄養不足になると頂芽がいじけて成長が遅くなる特有の傾向をみせるので、その兆候がみられたら底床肥料を埋め込んでやるとよい。

右写真は、光量やCO2添加量は十分だが栄養不足によって頂芽がいじけた様子→

以前は希少種で大変高価なものであった。しかし最近は育成の容易さからだいぶ入手しやすくなっきている。環境さえ整えていれば1本からでも十分増やしやすいことから、多少高価であってもその価値は十分あるだろう。レイアウトで群生させるのも夢ではないし、一般種を少しだけ脱したい時にはじめる水草としても 手堅い種だと思う。また、小型水槽のブームにより小型の水草が好まれる近年だが、こうしたしっかりした草体をもつ水草は一本一本が主張して美しく、非常に魅せられるものだ。文/h_ahli

 

 

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