■Vol.020(2009年1/23-2011年4/12改訂)

通称:ベトナムゴマノハグサ科
学名:不明
科名:不明
分類:双子葉
原産:ベトナム プレイク近郊

成長形式・増やし方:匍匐型。はいながら成長し、枝わかれする。トリミングして差し戻しても増やせる。

 or

光量 :強
特記 :弱酸性〜中性、硬水〜、20〜28度、CO2添加

育成ポイント:前景草として匍匐させるには、強光量 、CO2添加を多めがよい。水中葉はやわらかいので、大型のエビ(ヤマトヌマエビ)による食害に注意。

 

本種には定まった通称がない。ベトナム・ブレイク近郊で採集され、容姿からゴマノハグサ科の一種だろうと推察され、そのまま「ベトナムゴマノハグサ科」と表記され、現在に至る。

↑(1)入手したばかりのしっかりした草体

↑(2)水中育成ではやわらかい草体となる

↑(3)植栽すると根元からわき芽がでてくる。

↑匍匐しながら密生しはじめる。

↑匍匐の次の段階、縦に伸びる特徴をいかした植栽。

↑2009年5月24日撮影。※画像をクリックすると大きい画像が開きます。

はじまり

私が入手したのは2007年10月、「Roots」さんからである。採集された雑草の類であり、類似した流通種はない。当時入手前にうかがった情報によると、「ゴイヤスドワーフロタラよりひとまわり大きく、匍匐しながら成長し、比較的丈夫で育成も容易」ということだった。届いたものは、茎と葉脈が赤く、全長約15cmのものを1本、6輪生で直径2cm未満。個人的には小型のシソクサの印象をもった。やや硬かったことから水上または半水上のものだろう。わき芽が出そうな箇所に注意し、3等分に切り分けて底床に差し、育成をはじめた。(左写真1参照)

 

レポート

はたして水中育成に向いているのだろうか。とにかく好条件下に配置することにする。20cmキューブ水槽に21Wの照明、底床は新しいアマゾニアのソイル、パネルヒーターでの底床からの保温、多めのCO2添加。私の心配をよそに、本種は順調に増殖していく。水中葉はライトグリーンとなり、成長は早く、草体はやわらかくなった。サイズは入手時とあまり変らず、葉幅2〜3mm、直径2.5cm程度の輪を形成、葉のエッジはややギザギザ。入手時は6輪生だったが水中では環境により輪数は不規則となり、3〜5輪生となる。(左写真2参照)

増殖は根元付近からのわき芽が基本となり、その新芽が匍匐しながら根をおろし、そこからまたわき芽をだしていく。前景に使用できる有茎草の典型的な匍匐スタイルだ。最初に差した茎はほとんど自力で匍匐せずに上へ成長することから、根元のわき芽が成長してきた時点で伸びた元の茎は一度トリミングするとよい。上に向かう成長点をなくすことで、わきの新芽に活力が移行し、匍匐しやすくなるようだ。トリミングした株はまた差し戻して、同じ方法を繰り返すことで、前景草として早く密生させることが可能だろう。匍匐せずに縦にばかり伸びることもあるが、環境の問題だけでなく、この処置により匍匐を促す必要もある。(左写真3参照)

順調だったようにみえるがトラブルもあった。育成開始初期の20cmキューブ水槽でようやく密生をはじめた時のこと。うかつにもCO2ボンベが空になっていることに気がつかず、1週間ほどで全体の半分ほども枯れて溶けたのだ。ここまでダメージを受ける水草はそうない。ただ他の要因も加わり相乗的に原因となった可能性もあるが、CO2の依存性が高いのは一因として間違いないだろう。しかし本来丈夫な種のようで、再度、条件を整えることによって短期間で順調に回復した。

 

まとめ

本種はおおよそ水草育成しやすい条件下であれば問題ない。しいていえば、強光量、多めのCO2添加、水草育成に向いたソイル、弱酸性・軟水、水温26度が最も順調に成長する。基本的に好条件下であれば匍匐しながら増殖するため、水草レイアウトには前景草に向く。ただし、前景に向く有茎草、特有の管理方法は必要。匍匐スペースがなくなり、密生して折り重なってくると縦に成長しはじめるため、トリミングにより背を低く維持することになる。また、この密生時に縦に成長する特徴を意図的にいかせば中景としてもよい。小型水槽ならば、管理方法により前景から後景まで使用可能だ。輪のサイズは良好で2.5cmくらいだが、トリミングを繰り返すことで元株が古くなったり、底床の栄養素が少なくなると葉がやや小型化し、輪生数が減ってくる。

余談。私が入手当時、本種「ベトナムゴマノハグサ科」をネット検索すると、ヒットするのは販売元である「Roots」さんのみであった。その後、本サイト「GRASSY AQUA(旧GLASS BOX)」で紹介、そして増えた本種を通販企画で徐々にリリースしはじめる。そして2009年のコンテスト用のレイアウトで中景〜後景に本格的に使用。この頃にトリミングしたものを大量に通販企画でリリースし、広く行き渡る。これをきっかけに一般ショップでも販売されているのをみかけはじめた。手前味噌だが未知の水草を広める手助けになったようで、ちょっとうれしい。

そもそも水草通信の発行が入手より2年ほどかかかってしまったのは、なにぶん、科名が不確なことが気掛かりだったからだ。とはいっても、けっきょく現在も不明のままだが。私は学術的な知識がなく、紹介する前に少なくても通称の基盤となる科名だけは確認しておきたかったのでそれなりに調査はしていた。もっとも容易いのは水上育成で花を確認すること。たいして難しいことではないが、これがなんどチャレンジしても花を咲かせることができていない。今後、通称は「ベトナムゴマノハグサ科」のままであるか、実体の種別が新たな通称と化していくかはまだわからない。このことを踏まえほしいこともあり、現状でこの水草通信を発行するに至っている。新たな情報を得ることができれば追記もしくは改訂することになるだろう。文/h_ahli

 

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