■Vol.012(2007年8/23-9/21更新)

通称:ブリクサ ショートリーフ
学名:Blyxa novoguineensis
科名:トチカガミ科
分類:有茎草
原産:アジア

成長形式・増やし方:ロゼット型の印象の有茎草。そのため厳密には株別けというより根元付近の茎から枝別れした株をトリミングし、差し戻すことで増やすことになる。

 

光量 :中〜強
特記 :特記 :酸性〜中性、軟水〜中硬水、20〜28度、CO2添加

育成ポイント:弱酸性、底床はソイル系が望ましいが、底床の肥料ぶんや条件が整えば砂や大磯やセラミック系でも育成可能。光量は中〜強が最適だが適応性もあり、成長は遅くなるが低光量下でも維持できる。

 

草らしい茂みをつくるオーソドックスな容姿から、涼やかな草原を表現する前景としてや、前景と後景を仕切る中景や、ポイント的にあしらって自然観の演出にと大変重宝する水草だろう。さらにランナーで増殖するようにとっぴょうしもない場所で増えたりはしないのがいい。ロゼット型の印象だが有茎草なため、1本の親株の根元付近から枝別れした株によりボリュームをだしていき、まとまり感のある茂みをつくっていく。植栽時は数倍までボリュームが増すことを踏まえて、ある程度間隔をあけて植えるとよい。こうした特長から、完成する水景を想定しやすく、水草レイアウトでは様々な用途で使用できる。初心者から上級者まで馴染みのある水草のひとつである。

 

色について

通常、ライトグリーンの茂みをつくる。しかし環境によりダークグリーンや赤みがかかったり、赤褐色にまでと変化がみられることもある。例えば、同水槽内で場所によって色の変化がおきることがる。この場合の原因は光の質と光量だということがわかる。たいてい光が強い場所が赤みをさし、光が弱い場所はライトグリーン。ところがである。あくまでも一例で、光量が非常に強い場所でもライトグリーンの美しい茂みをつくることから、光の質や肥料成分や水質などの微妙なバランスによっておこるのだろうが、なかなか原因は特定しにくい面もある。

 

育成環境について

CO2添加はなくてもよいが最低限でも添加することが望まい。本種は本来、泥状の土壌に自生しているため、底床はソイル系との相性がよい。使い込まれた古いソイルの底床でもよく育つ。また、底床の肥料ぶんが十分ならば、砂や大磯やセラミック系でもよく育つ。

 

根は横よりも縦に下方向へしっかりとはる。根付くと根ごと掘りあげるのは困難なほどで、根付いた株を移動させたり大型化した株の形成を整えるには、ハサミをやや地中に差し込んで茎をカットして抜き、株を整えた後、差し戻す。ちなみに地中に残った茎や根からは再生することはあまなく、繊維質は比較的やわらかいため、やがて分解されてなくなる。

比較的、明るい場所を好むとされる本種だが、低光量下でも意外に成長する。右の写真は、大型流木で完全に直光があたらない場所にあえて植栽されている。あきらかに低光量下だが、ガラス面の反射光や拡散光等のささやかな光りを頼りに成長している。ただ、葉数は少なく茎が多少間延びはする傾向はある。また、葉が軟弱になるのか、葉先のみにややヤマトヌマエビの食害がみられる。

ブリクサショートリーフの謎

さて、現在出回る本種はアジアファームものがほとんどで、学名「Blyxa novoguineensis(ブリクサ・ノボグイネエンシス)」の種だろう。しかし以前は、学名「Blyxa echinosperma(ブリクサ・エキノスペルマ)」の方が本物のブリクサショートリーフという位置付けで、販売価格も数倍と高価に扱われていた。特長の違いとしては、ノボグイネエンシスは若干、茎を確認できることに対し、エキノスペルマはほとんど茎がなく、葉の密生度が非常に高くて葉幅がやや狭く、比べれば歴然である。といっても、この違いを精通していない限り、単体で見るとなかなか見分けるのは難しいだろう。本来、プロである販売するショップ等が認識し分別しなければならないはずであり、そもそも生産するファーム自体もかなりいい加減だったと思われる。そのため現在は混在し、ノボグイネエンシスを含めてブリクサショートリーフと呼ばれている。

 

残念ながら私は本物と言われているエキノスペルマのタイプを育成したことがないが、収集目的でないかぎり、水草レイアウトにおいてはノボグイネエンシスでも十分なようだ。

本種を育成するにあたって最後にポイントをおさえるならば、水質は弱酸性あたりをキープすることだろう。経験的に、成長が止まったり葉が傷んだりと調子をくずしてくるのはたいてい、水槽のセッティングから半年くらいたったころ。水質はソイルの弱酸性への効能が薄れ、CO2添加をしない夜間の水質が中性〜弱アルカリ性になっているのだ(CO2の弱酸性にする作用で日中は弱酸性〜中性である)。 こうなった場合、対処として粒状のピートをろ過層に入れている。ピートの量や質によるが、2〜3カ月間は再び安定した弱酸性の水質となり、ブリクサショートリーフの調子がよくなってくるのだ。もし、ブリクサショートリーフが育成途中に調子をくずしてくることがあれば、一概にはいえないが、まず水質を疑ってみることが解決の近道になるかもしれない。文/h_ahli

 

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