■Vol.005(2007年6/29更新)

通称:ミクロソリウムsp. ナロー・ナロー(ミクロソラムsp.)
学名: Microsorium sp.
科名:ウラボシ科
分類:シダ
原産:東南アジア

成長形式・増やし方:活着性、匍匐型。はいながら成長し、枝わかれする。根茎をトリミングすることで株分けする。また、古い葉から発生する子株を独立させることでも増やせる

 

光量 :低〜強
特記 :弱酸性〜弱アルカリ性、CO2添加なし可(添加すると成長が早い)

育成ポイント:成長はゆるやか、活着性が強い。針金等で流木や石に固定すれば、1カ月くらいで新しく生えた根によって活着する。注意点は、水温が30度以上をこえる夏はシダ病に気をつけること。シダ病の予防は、過密を避け、通水性をよくすることだ。もし、シダ病になった場合、発病した葉はすべて根茎元から取り除くこと。少しでもうつったと思われる葉でも容赦しないように。場合によっては、葉を全部カットしてしまうくらいの覚悟で対処してほしい。根茎さえ生きていれば、通常温度(26度前後)にもどる秋には、復活する可能性が高い。

 

本種は一般流通しているナローリーフに比べて、1/2〜1/3程度と小型で維持できる。「ミクロソリウムsp. 本ナロー」に似ているが、サイズはやや大きい。

輸入経緯は不明。しかし本種の特長から以前、トロピカからサンプル的に入荷した増殖であることはほぼ間違いないと判断している。ちなみに、販売の名称や説明に「本ナロー(初期)」や「トロピカ初期バージョン」等とあるものがこのタイプにあたるだろう。

このことから、もともと「本ナロー」とは別々に扱われていたはずだが、年月を経て 一部のショップ(例え有名店であっても)や個人売買を経由するうち、「本ナロー」と混同されてしまったと考えられる。このタイプは「本ナロー」に比べてショップで取り扱われることが多いが、それでも流通量は依然に少ない。

 

特長

色は「本ナロー」に比べてやや明るめ。葉のエッジにはウエーブがほとんどなく、ストレートな印象。サイズは葉幅〜5.5mm程度、長さは最長20cmくらいにとどまる。見た目的には「本ナロー」よりも「ナロー・ ナロー」の方がやや大きく、葉幅は少し太く見えるが、実際に計ってみると意外に大差はない。「本ナロー」の葉の縮れた細かいウエーブが視覚的にスマートに見させているのだろう。

強光量・CO2添加等と条件がよかったり、成長にはずみがついている時、稀に、枝わかれしたり葉先がウインディロブのような獅子葉になる奇形がでることがある。「ナローK」は、おそらくこの手を選別し、固定化させたものだろう。また、通常のミクロソリウムと違い、葉にほとんど子株をつけないため、根茎をトリミングすることで株を増やすことが主となる。

育成スピードは大変ゆるやかな部類だが、同環境で育成をみていると「本ナロー」よりも「ナロー・ ナロー」が幾分早く感じる。根茎は枝別れしながら放射状に成長していくため、一旦、成長にはずみがつくと株は確実に大きくなり茂みを深くしていく。

活着性は強いが成長がゆるやかなため、新たな根が生えることによる活着までに一般種のミクロソリウムよりも時間がかかるだろう。ミクロソリウムの中でも根茎は比較的細く根も細い。流木や石に確実に活着するまで1カ月以上は固定する針金等を取り除かない方がよい。

全体的な特長として、大型化してくると葉は放射状に成長し、立体的に整った印象となる。個人的にレイアウト水槽には「本ナロー」より意図的に使いやすく存在感があると思っている。

 

『本ナロー』と『ナロー・ナロ』の違い。

↑ミクロソリウムsp.本ナロー

↑ミクロソリウムsp.ナロー・ナロー

私がこれまで入手して確認した「本ナロー」といわれるものは2タイプあった。双方は入手経路が違ったため、同条件下で別々に長期に渡って育成したところ、区別できる明らかな違いがみられたのだ。その特長から「本ナロー」と「ナロー・ナロー」だということが判明。外観の違いは左写真、詳細は下記表参照。

本ナロー
ナロー・ナロー
葉幅(最大)
〜5mm程度
〜5.5mm程度
葉長(最大)
〜180mm程度
〜200mm程度
葉の特長
葉のエッジに細かなウエーブが入る。奇形葉はほとんど発生しない。葉に子株はあまり発生しない。

葉のエッジはほぼストレート(ゆるやかなウエーブ)。稀に奇形葉が発生。葉の途中から枝別れしたり、葉先がウインディロブのような獅子葉をつくる(「ナローK」と言われるものだろう)。葉に子株はあまり発生しない。

全体の特長
まとまった株になると、葉は輪の外側に平たく広がるようにのび、逆円すいのような容姿となる。全体的にやや乱れた野性味のある印象。
まとまった株になると、葉は放射状に直立ぎみにのびるため、立体的な整った茂みをつくる。
総評
同条件で双方を長期育成したものを並べると若干「ナロー・ナロー」の方がサイズが大きくなることがわかる。また、「本ナロー」の葉のエッジに入る細かなウエーブは育成条件によって判断しにくい場合があるので注意してほしい。

 

「本ナロー」と同じく「ナロー・ナロー」も正確な経緯を私は認識していない。ただ執筆していて気がついたが、古いADAアクアジャーナルに写真が載っていたのを思い出した。探してみたところ、1998年発行vol.50「Fascination」というコーナーで三浦氏(現在アクアズームのオーナー)によって紹介されていた。特長から、こちらは「本ナロー」と思われる。他にも、2000年ごろに原種タイプやトロピカのリリースのことを聞いた覚えはあるが、肝心な内容はさっぱりだ。このあたりはさらに調べて、新しい情報があったら更新していこうと思う。文/h_ahli

 

※他に「本ナロー」や「ナロー・ナロー」の情報をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。

 

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