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[技能]光のことを考えてみる
2012年8月17日UP

■まえがき

もともとはADAのアクアスカイのレポートの予定でしたが、出鼻をくじかれて意欲がなえました(こちらを参照)。まあ、いろいろあっただけにちょっと意地悪な展開になりそうだったのですが、幸い間が空いたので考え直しました。私は単に水草育成を愛する趣味屋。にわか知識で突っついてもむなしいし。そこでまてよ、水草育成分野では光の強さばかり気にしていて、基本がおざなりじゃない?ってね。いかがです?LEDが主流となるはずの今こそ、光のことをきちんと考えてみる機会じゃありませんか?
※かなり私なりに噛み砕いてまとめたので、もしかしたら本来の意味からズレているところがあるかもしれません。そんな箇所はご指摘ください、直します。

 

■水草育成に求める光

ひとくちにアクアリウムといっても海水と淡水の二分されます。そのうち、光で生き物を育てるのはマリンアクアではサンゴやムセキツイ。淡水では私たちがやってる水草ですよね。サンゴやムセキツイ育成用の分野では照明への意識が大変強く、準じてユーザーを支える製品の概念とクオリティは非常に高いようです。なぜならサンゴやムセキツイはとっても繊細。水深により淘汰された太陽光が届く海底に生息し、種類によって必要波長が異なり、さらに整った一定環境でしか生育しないからです。

で、水草育成分野は?そもそも水草の自生は地域差(水質・土壌・気温)はあれど、自然や天候の影響はダイレクト。だから多少の変化には強い(あっという間に絶えないという意味で)。はじめ水草は熱帯魚観賞の装飾的に扱われ、その延長の水草育成はこれ幸いに観賞用のライトで補われていました。海外で華やかなダッチアクアリウムがブームになると高光量が求められてきます。そして日本はもっとナチュラルなネイチャーアクアリウムの誕生。そうした中で私たちが…、いや、語弊を避けるためここからはあえて「私」個人で進めましょう。これまで求めてきたのは単純に「水草が育つ照明」。商品のうたい文句、ささやかな製品データをもとにして他製品との比較、そして使った人のレポートを参考にしたり。終いには製品デザインのインテリア性で選んだり。

でもこれでもよかったんです。選択肢は蛍光灯かメタルハライドランプ。極端な話し、どんな製品でも、家電用でさえ、環境を整えた水槽に設置してタイマーで管理すれば水草はそこそこ育ってました。それはなぜでしょう?かなり乱暴にまとめると、蛍光灯やメタルハライドランプはある意味「太陽と似ている」からといえます。

 

■太陽と光合成のことを知ろう!

「似ている」とは、正確には太陽光との共通点があるからです。それは「連続波長」であること。さて本題、「波長」登場。じゃまず基本となる太陽光のことを見直してみましょう。(概念的なことがわかればよいのでグラフの数値は少しデフォルメし、また難しい理論は割愛しています。この程度の認識で問題ないです。)

 

▼電磁波スペクトル

光というのは実は電磁波の一種。なんか学校で習った気が…、そう「電磁波スペクトル」上に存在してます。ラジオやテレビの電波と同じ種類なんですよね。で、UV(紫外線)とIR(赤外線)の間にあるのが「可視光」。つまり人が光と色を認識している部分にあたります。

 

▼太陽光スペクトル

太陽光が放つ可視光の波長(スペクトル)です。実際はもう少し細かい波があるのですがイメージがわかればよいので大まかにデフォルメしてます。青い部分をピークにゆるやかな山となってますが、この波長が繋がっているラインが「連続波長」です。当たり前ですが可視光にあたる色調を広い範囲でカバーしてます。水草(植物)にとってはこの太陽光スペクトルから生育に必要な波長(色の部分)を吸収して生育しています。それが光合成です。
※グラフの解説/縦軸の「相対発光強度」とは光の一番高い強さを1.0とした場合の軸で、光の強さそのものを表しているわけではありません。

 

▼色素の吸収スペクトル

では、光合成は可視光スペクトル内からどの波長(色の部分)を利用しているのでしょうか。光合成に必要な色素にはたくさん種類があります。その中でも水草(植物)に特化すると「クロロフィルa」「クロロフィルb」「カロテン」「ルテイン」です。どの色素も青の波長で重なり最も高く、ついで赤の波長域が高い凹型となってます。
※グラフの解説/縦軸は波長に対して吸収量を表したもので、相対発光強度ではありません。
※余談/サンゴやムセキツイの光合成はクロロフィルの共通点もありますが下記(水草)とはまったく違う色素(500〜600あたりの波長)も多種多様で活用しているんです。

 

▼色素の吸収範囲

うち光合成の主要色素となるのが「クロロフィルa」、次いで補助色素の「クロロフィルb」。これがいわゆる「葉緑素」です。このクロロフィルabは成長・生育に必要な受光容態となります。
しかしレイアウト水槽では赤系(赤・オレンジ・黄)水草を鮮やかにすることも重要視されます。赤系水草の本来もつ色合いを引き出すために必要な受光容態は「カロテン(βカロティン)」「ルテイン」。クロロフィルで補えない470〜500あたり(水色〜緑あたり)の波長も必要になります。
このグラフは色素の吸収範囲がよりわかりやすくするために波長色を入れてみました。太陽光スペクトルを下敷きにしているのは色の範囲の目安のためにです。

 

▼光合成作用スペクトル

そして私が重要視しているのが「光合成作用スペクトル」。これは葉に光を当てた時の光合成による吸収スピードを表したもの(いろんな植物の平均値)。光合成で吸収しやすい波長を知るためのグラフだと思ってください。ごらんの通り色素の吸収とは青と赤の比率が逆ですね。光合成の作用は赤の反応が最も高いことがわかります。
※余談/農業(水耕栽培等)等で極端に赤色LEDを利用するのはこのデータからなんでしょう。
※グラフの解説/「太陽光スペクトル」同様、縦軸の「相対発光強度」は光の一番高い強さを仮に1.0とした場合の軸で、光そのものの照度を表しているわけではありません。

 

まとめ/水草育成に必要な波長を知るには一見「色素の吸収スペクトル(色素の吸収範囲のグラフも)」が一番理屈にあっているように思えますが(実際、水草方面ではよく取り上げられる)、光合成の作用は赤をピークに幅広く反応している。まぁ結局、直接太陽を浴びて成長しているわけですし、自然下同様に植物のもつ色合いを視覚で楽しむ意図からも太陽光のスペクトルを目指した方がよいのでしょうね(汗)。ただ、赤の波長域を強くするのは視覚的にいただけませんが、最低限「光合成作用スペクトル」はある程度はカバーするべきだと私は考えてます。ちなみに「光合成作用スペクトル」は農業分野ではよく取り上げられるのに対し、水草方面ではあまり取り上げられません、なぜですかね?

 

ここまでの基本を踏まえ、いよいよ『水草育成の照明』について検証です。

 

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